IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年6月29日

るびー

Ruby / ルビー

Webサービスやアプリケーションの開発によく用いらているプログラミング言語の1つ

POINTRuby / ルビーとは

Rubyとは、まつもとゆきひろ氏(通称:Matz)により開発されたプログラミング言語です。日本で開発されたプログラミング言語として、初めて国際規格である国際電気標準会議(IEC)に認証された言語です。

Rubyは他のプログラミング言語に比べると比較的短く、直感的に書くことができるという特徴があります。特に、Webサービスやアプリケーションの開発に用いられ、Webアプリケーション開発のフレームワークである「Ruby on Rails」とともに世界中のWeb開発現場で用いられています。国内のサービスでは、クックパッドや食べログなどが、Rubyを用いていることで有名です。

Rubyの特徴

Rubyの主な特徴を4つ挙げます。
①オブジェクト指向型な言語である
オブジェクト指向型では、全てのデータがオブジェクトとして表現され、オブジェクトごとに命令やデータのやりとりをおこなうことで処理を進めます。そのため、Rubyでは既にあるプログラムの再利用したり(継承)異なるオブジェクトに同じ動作をさせたり(多態性)することが可能で、大規模なソフトウェアの開発などで便利です。

②スクリプト言語である
通常、JavaやC言語などでプログラムを書いた場合、プログラムを実行するにはコンパイラと呼ばれる、人が書いた言語から機械が理解できる形に変換する作業が必要となりますが、スクリプト言語はコンパイラ無しでそのまま実行できます。ただし、Rubyは一行ずつ機械語に翻訳しながら実行する言語であるとも言えるので、他のコンパイル言語と比べると実行速度が遅くなってしまうことがデメリットです。

③記述量が少ない
Rubyの記述は他の言語に比べ、非常にシンプルで読みやすい特徴があります。記述量が少ないことで、開発者にとっては開発時間を短縮することができます。

④日本で開発された言語である
Rubyは日本で開発された言語であるため、日本語で書かれた参考書や最新情報が多いです。C言語やJavaの最新情報は英語で記述されていることもあり、開発には一定の英語スキルが必要ですが、Rubyは日本語でも有用な最新情報を得られることがあります。

Rubyでできること

Rubyを使うことで、Webサービスやアプリケーションの開発を効率よくおこなうことができます。特に、Webアプリケーション開発用のフレームワークである「Ruby on Rails」を用いることで、数回のコマンド入力でWebサイトを自動生成できるなど、大幅に開発時間を短縮できるようになります。その開発スピードの速さから、スタートアップ企業などがWebサービスを立ち上げたり、経理や売上管理などの業務システムを開発したりする際に用いられています。

また、フレームワークとして「RUBYMOTION」を用いることで、Rubyでスマホアプリの開発をすることもできます。他にも、RubyはSINATRA、Padrinoなどの様々なフレームワークで使うことができ、アプリケーションの開発に応用できます。

Rubyで開発が向いているサービス

Rubyで開発が向いているサービス例を2つ挙げます。
①スタートアップ企業のWebサービスの開発
スタートアップ企業のWebサービスは、短い期間で継続的な立ち上げが求められる場面が多いです。Rubyがベース言語のRuby on Railsというフレームワークを用いれば、開発コストを短縮し、少人数・短時間のWebアプリケーションの開発が可能です。

②WebAPI経由のサービスの開発
WebAPIを用いれば、Web上のサービスとスマホアプリを連携し、新たなサービスを提供することができます。例えば、RubyとRailsを用いれば、「クローリング・スクレイピング」と呼ばれるWeb上のデータを自動的に収集して加工する技術など使うことができます。

Rubyでの開発に向いていないサービス

Rubyではほとんどのものを開発することができますが、スマホアプリと機械学習分野にはあまり用いられません。
スマホアプリでは、Rubyを用いて他の言語と同等のアプリの開発は可能です。しかし、Rubyではアプリ開発用のツールが必要であり、Rubyでスマホアプリの開発をすること自体がメジャーではないので、あまり用いられていません。
機械学習分野についても、Rubyを用いることは可能ではありますが、関連のライブラリがあまり充実していないため、あまり用いられることはありません。現段階で、機械学習分野ではPythonが一般的には使われています。

Rubyの記述例

Rubyの記述は他の言語に比べ、量が少なくシンプルであるという特徴があります。
例えば、Javaというプログラミング言語を用いて、「こんにちは」という文字を表示させたい場合、
System.out.println(“こんにちは”);
と記述します。これに対し、Rubyを用いると、
puts “こんにちは”
という記述のみで、完結することができます。

Ruby / ルビーの使用例

「RubyでRailsを使って、新たなwebサービスを立ち上げます」

Webアプリケーションを開発するためのRailsでは少人数・短期間での開発が可能なため、スタートアップ企業のWebサービスなど、新たなWebサービスの開発に用いられることもあります。

「Rubyは記述量が少なくて楽でいいね」

Rubyの大きな特徴として、記述量が少ないことが挙げられます。記述量が少なく済めば開発時間を短縮することもできます。

「機械学習分野でのプログラミングはRubyよりもPythonを使った方がいいのかな」

Rubyを機械学習分野で用いることもできますが、Pythonを使うのが一般的です。Pythonは機械学習に特化したライブラリやフレームワークが充実しているのでよく使用されています。

Ruby / ルビーに関係した気になる話題

Rubyの名前の由来

Rubyは宝石の「ルビー」が由来です。「Perl」という名前のプログラミング言語が、真珠の「Pearl」と同じ発音であることから名付けられたことから、Rubyも宝石の名前から名付けたそうです。開発者であるまつもとゆきひろ氏の会社の同僚が7月生まれで、7月の誕生石がルビーであったことから、「Ruby」と名付けられました。

Rubyの歴史

Rubyは1993年に日本人であるまつもとゆきひろ氏によって開発され、1995年に一般公開されました。そして、2004年、Webアプリケーション開発のためのフレームワークである「Ruby on Rails」の誕生によって一気にシェアを広げ、2006年には世界的に支持を集めることができるようになりました。近年では、プログラミング言語の人気の指標となるTIOBEでトップ10に入るなどしています。

Rubyで使われるフレームワーク「Ruby on Rails」とは

「Ruby on Rails」とは、主にWebサービスやアプリケーションの開発に用いられるフレームワークです。略してRailsとも呼ばれます。ベース言語はRubyで、2004年にRailsが誕生したことをきっかけにRubyが世界的に人気となりました。
Railsを用いれば、数回コマンドを入力しただけで自動的にWebサイトを生成することができるなど、Webサービスを開発時間を大幅に短縮することができます。Railsが使われるwebサービスの例として、クックパッドやGitHubなどが挙げられます。


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