IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年7月22日

ぱーみっしょんまーけてぃんぐ

パーミッションマーケティング

事前に顧客から許諾(パーミッション)を得て、その範囲内でマーケティング活動をおこなう手法、考え方のこと

英字

POINTパーミッションマーケティングとは

パーミッションマーケティングとは、事前に顧客から許諾(パーミッション)を得て、その範囲内でマーケティング活動をおこなう手法、考え方のことを指します。

パーミッションマーケティングは、事前に許諾を得ているので、高いレスポンス率を期待することができます。また、一方的な強引さを感じさせにくく、企業と顧客の信頼関係の構築にも効果的です。

1999年、当時のYahoo!副社長だったセス・ゴーディン氏が提唱し、注目を集めました。近年、従来の不特定多数のユーザーに対し、事前の許諾なく、一方的にメッセージを送りつける「インターラプションマーケティング」の広告効果が下がってきていることから、再び注目を集めています。

パーミッションマーケティングのメリット

パーミッションマーケティングは、企業側と顧客・消費者側、それぞれにメリットがあると考えられています。

①企業側のメリット
パーミッションマーケティングは、あらかじめ許諾を得ることができた顧客に対してのみ、アプローチをおこなうので、レスポンス率が高く、強引さを感じさせないという特徴があります。

②顧客・消費者側のメリット
特定の企業に許諾を与えることで、自分の趣味・嗜好に合った情報や、興味のあるジャンルの情報を受け取ることができます。

パーミッションマーケティングを成功させるためのポイント

パーミッションマーケティングを成功させるためのポイントとして、以下の4つが挙げられます。

①情報を伝達する手段を準備する
パーミッションマーケティングを実施する際は、許諾(パーミッション)を得ることができた顧客に対し、情報を伝達する手段を準備する必要があります。

②許諾を長期間継続させる
許諾が一時的なものだと、十分な効果を見込むことができません。顧客と信頼関係を構築し、長期的な関係性を築くことが重要です。

③双方向のコミュニケーション
一方的にメッセージを配信するのではなく、顧客に反応してもらい、双方向のコミュニケーションを図ることも重要です。また、顧客に合わせたコンテンツを配信することで、より高いマーケティング効果を期待することができます。

④結果を計測する
パーミッションマーケティングを実施した後、そこで終わりにせず、結果を計測することが重要です。顧客の反応や行動をデータとして収集し、費用対効果を測定しましょう。

パーミッションマーケティングが重要視されている背景

パーミッションマーケティングが重要視されている背景として、従来のマーケティング手法が限界を迎えつつあることが挙げられます。

従来のマーケティングでは、不特定多数のユーザーに対し、TVや新聞、ラジオなどにおける広告を通じてアプローチをおこなうことが一般的でした。しかし、インターネットの普及や顧客行動の変化により、従来のマーケティング手法の効果はなくなりつつあります。テレビCMや新聞の広告など、一方的に展開されるマーケティングでは、顧客の関心を引くことが難しくなってきているのです。

このような背景から、パーミッションマーケティングが注目を集めるようになりました。パーミッションマーケティングは、事前に顧客の許諾を得て、その範囲の中でアプローチをおこなうため、顧客にネガティブな印象を持たれにくいからです。

「パーミッションマーケティング」と「インターラプションマーケティング」

インターラプションマーケティングとは、不特定多数のユーザーに対し、事前の許諾なく、一方的にメッセージを送りつけるマーケティング手法のことです。テレビCMや新聞の広告、インターネット広告などがこれにあたり、従来のマーケティング戦略において、非常によく用いられてきました。

インターラプションマーケティングの由来は、「インターラプション(Interruption)」という単語で、英語で「妨害」「中断」を意味します。テレビ番組の間にCMを差し込んだり、新聞記事の間に広告を表示したりするなど、顧客の行動を中断させて、商品・サービスを宣伝することから、このように名付けられました。

パーミッションマーケティングの提唱者であるセス・ゴーディン氏は、インターラプションマーケティングの効果はどんどん下がってきており、パーミッションマーケティングに切り替えるべきだと唱えています。

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パーミッションマーケティングの使用例

「パーミッションマーケティングを展開しよう」

パーミッションマーケティングを展開するためには、情報を伝達する手段を準備し、事前に顧客の許諾を得ることが必要です。

「なぜパーミッションマーケティングが注目されているの?」

パーミッションマーケティングが注目を集める理由の1つとして、従来のインターラプションマーケティングが限界を迎えつつあることが挙げられます。

「パーミッションマーケティングを成功させるため、結果を測定しよう」

パーミッションマーケティングを実施した後、そこで終わりにするのではなく、結果を測定することが大切です。顧客の反応や行動をデータとして収集することで、次回以降にも活かすことができます。

「パーミッションマーケティングはレスポンス率が高いから、コンバージョンが期待できそうだ」

パーミッションマーケティングの特徴の1つとして、レスポンス率が高いことが挙げられます。双方向のコミュニケーションを図り、顧客と信頼関係を構築することで、コンバージョン獲得も期待することができます。

パーミッションマーケティングに関係した気になる話題

パーミッションマーケティングは「恋愛マーケティング」?

パーミッションマーケティングは、「恋愛」と例えられることもあります。パーミッションマーケティングの提唱者であるセス・ゴーディン氏は、パーミッションマーケティングと恋愛のポイントは同じだと発言しています。

パーミッションマーケティングでは、契約を結ぶことを「結婚」と捉え、契約に至る(=結婚に至る)までには、段階を重ねることが重要だと考えられています。
恋愛において、最初のデートに誘い、連絡先を交換するように、マーケティングにおいても、まずは相手の承諾を得ることが重要だとされています。また、時には気の利いたプレゼントをするように、顧客のニーズを理解し、サービスを提供することが効果的です。

このように、顧客と適切な信頼関係を構築し、商品・サービスについて理解を深めてもらうことで、契約に至ることができると考えられています。


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