IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年6月29日

おうんどめでぃあ

オウンドメディア

自社HPや広報誌、ブログなど、自社が所有しているメディア

POINTオウンドメディアとは

オウンドメディア(Owned Media)とは自社の所有するメディアのことを示します。Ownedは「所有する」という意味です。元々は自社HPやブログ、Twitterアカウント、広報紙や冊子などのリアル媒体などを指していましたが、現在日本では、企業が運営するウェブマガジンやブログを主にオウンドメディアと呼ぶケースが多いです。

オウンドメディアのメリット・デメリット

オウンドメディアは、間接的に自社商品をPRできるため、見込み客を獲得できることが特徴です。資産として永続的に使うことができる点も魅力です。また、広告費用が不要であることや、検索結果の上位に位置することができれば、競合との差別化ができることがメリットと言えるでしょう。

一方でデメリットとしては、効果が出るまでには時間がかかる、ノウハウがないと効果が出にくいことがあります。社会全体としてオウンドメディアに力を入れている企業が多いので難易度は上がっています。また、質の低いコンテンツは逆に悪いイメージすら与えかねないため注意が必要です。

オウンドメディアの4パターン

オウンドメディアには4つのパターンがあります。

①検索型
SEOに強く、検索からの安定して流入を得ることができます。コンテンツの多くはお悩み解決コンテンツと言われています。

②ソーシャルメディア型
ソーシャルメディアからの流入が多いタイプです。コンテンツの内容はバズるといわれるものが多いです。おもしろコンテンツが中心になりますが、そのほかインタビュー記事などもあります。

③ブランド型
すでにユーザーの中でブランドが浸透しており、企業名やブランド名で指名検索されるタイプです。既存ブランドがいかに確立しているかが重要な指標となります。

④バランス型
上記3つの特徴を兼ね合わせたタイプです。安定的に顧客の獲得コミュニケーションができるので、最終的な目標として設定するのが良いでしょう。

オウンドメディアはトリプルメディアのうちの一つ

トリプルメディアとは、企業が消費者と接点になりうるメディアの分類であり、考え方自体は国内では2010年ごろに概念として広がり始めました。
トリプルメディアは名前の通り3つあります。

①オウンドメディア
多様なメディアを統合・補完するするハブの役割を担います。見込み客に向けてのブランディングに利用されることが多いです。具体的には、自社運営サイトやブログなどがあります。

②ペイドメディア
有料で広告を出稿するメディアです。具体的には、PPC広告やバナー広告、。テレビCMや新聞広告などが挙げられます。

③アーンドメディア
ソーシャルメディアのように信用や評判の獲得を目的とするメディアです。具体的には、FacebookやTwitter、LINE、口コミサイトなどがあります。

オウンドメディアが注目されている理由

オウンドメディアが注目された主な理由は4つあります。

①広告手法に限界がきている
ユーザーに対して広告で商品をアピールするだけでは十分な効果が得られなくなったことが背景にあります。そこで、ユーザーとコミュニケーションを取るためにユーザーに役立つ情報を提供することで信頼関係を構築しようという流れができました。

②検索エンジン対策のトレンドに対応するため
SEOの上位表示がリンク数だけではなく、コンテンツの内容によって変化するというアップデートが背景にあります。

③情報取得の行動が変化してきているため
情報機器の発達によりスマートフォンやタブレットでメディアサイトを雑誌感覚で気軽に読むユーザーが増えました。
そういったユーザーとの接点を増やすために自社メディアを所有するといった考え方が普及するようになりました。

④キュレーションメディアに対応するため
キュレーションメディアとはGunosyやSmartNewsなどの記事をまとめるメディアのことです。キュレーションメディアのアルゴリズムとしてソーシャルのシェア数が多い記事が中心に選ばれることから、オウンドメディアでコンテンツを作って評価されることでキュレーションメディアに取り上げてもらおうという背景があります。

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オウンドメディアの使用例

「オウンドメディアを立ち上げなくても、ソーシャルメディアを使えばいいじゃないか」

ソーシャルメディアをはじめとするアーンドメディアとオウンドメディアは相乗効果が期待でき、両方やることで高い効果が期待できます。
例えば、ソーシャルメディアはユーザーが常に新しい情報を得られる一方で古い情報に触れる機会が少ない課題があります。一方で、オウンドメディアは情報を蓄積することができます。

「オウンドメディアを始めよう」

オウンドメディアを開設する際には大きく4つのステップがあります。
①ペルソナの設定
なぜオウンドメディアを始めるのかに基づいて、自社の顧客や自社が提供できる価値など複数の観点からペルソナの設定を行います。ペルソナとは商品やサービスを利用する典型的なモデルのことで、ペルソナの設定が曖昧であったり、ズレていると効果が減少してしまうのでしっかりと検討することが重要です。
②サイトコンセプトの設計
設定したペルソナに基づいてサイトの設計を行います。具体的にサイトで提供するコンテンツや情報の種類や提供する形(記事や動画など)を考えます。内容については競合や検索キーワードの分析をもとにするといいでしょう。
③カスタマージャーニー(ペルソナの動きを時系列で見える化)の設計
顧客の種類によってサイト内をどのように巡回するのかを検討・設計することによって、顧客との関係をより密に効率よく構築することができます。ここでも、最終的な目標をしっかりと念頭に置いたサイトの設計をすることが重要でしょう。
④サイト制作とコンテンツの制作
実際にサイトとコンテンツを制作していきます。オープン後は思ったような成果が得られないこともありますが、コンテンツを増やしていくことや検索キーワード分析から顧客への理解を深めコンテンツやサイトを改善していくことで将来的に効果が得られるようになるでしょう。

「どんなオウンドメディアをつくろうか」

オウンドメディアを作る際には競合やそのほかの業界のサイトも参考にしてみると良いでしょう。
参考になるサイトとしては、無印良品の暮らし良品研究所やアサヒビールのカンパネラ、メルカリのメルカンなどが挙げられます。
上級編では、ライオンの暮らしの情報サイトLideaがあります。コンテンツだけでなく、DMPを導入することによって顧客データを獲得し、ビックデータの解析や連動広告などの取り組みをしています。

「オウンドメディアによって売上は上がるの?」

オウンドメディアによって売上が直接的に上がるということではありません。もちろん、オウンドメディア内に購入リンクがあれば売上に繋がることはありますが、オウンドメディアの最大の役割は新規の見込み顧客との接点であり、その後見込み顧客が実際に購入してくれることで売上につながります。

オウンドメディアに関係した気になる話題

オウンドメディアとコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーが興味を持ってくれるような情報を提供し続けることで見込み客を作り、その先の売上に繋げるためのマーケティング手法を指します。オウンドメディアの役割は興味がある人への有益な情報発信と見込み客の獲得です。

どちらも内容は同じなのですが、コンテンツマーケティングは手法でオウンドメディアは媒体です。つまり、オウンドメディアは、コンテンツマーケティングで扱う媒体の1つという位置付けになります。


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