IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月14日

もっくあっぷ

モックアップ / mock-up

外見が実物そっくりに作られた実物大の模型のこと

別名
英字

POINTモックアップ / mock-upとは

モックアップとは、外見が実物そっくりに作られた実物大の模型のことをいいます。webサイトやソフトウェア、建築物、家電などの様々な分野で、完成品の形状や大きさを確認する目的や商品のサンプルのために使われます。モックアップを略してモックと呼ぶこともあります。

モックアップの作成では、本番より安価で加工しやすい素材を用いたり、一部の内部機能やデザインを省略したりすることがあります。逆に、テスト用として、外装を省略して内部装置のみが再現された電子機器などもモックアップと呼ばれ、モックアップで再現される箇所と省略される箇所は、目的によって異なります。

IT業界でのモックアップはwebサイトの試作品

IT業界では、主にwebサイトやwebアプリ開発の際にデザインの段階で作られる試作品のことをモックアップといいます。試作品としてのモックアップは、サイトの機能はまだ実装されず、完成後に実際に表示される画面デザインなどを意味します。

webサイトを完成前にモックアップを作ることによって、完成イメージを視覚的に確認することができ、資料だけではわからない改善点を早い段階で修正することができるというメリットがあります。

モックアップは「課題発見」や「商品サンプル」のために作られる

モックアップは、商品を設計する段階で課題発見すること、展示物として商品訴求することの大きく2つの目的によって作られます。

まず、商品設計段階で課題発見をするために作られるモックアップは、家電や自動車、建築、webサイトなど様々な分野で使われます。モックアップを作ることで、図面や資料だけではわからない細かい点を確認することができ、設計や開発の早い段階で課題に気づいて修正をすることができます。

また、展示物として商品訴求するために作られるモックアップは、コストやセキュリティの関係から実物を展示できない場合によく用いられます。例えば、家電量販店に置いてあるスマホやカメラの見本品はモックアップと呼ばれ、盗難防止などに役立っています。

モックアップの類義語「ワイヤーフレーム」、「プロトタイプ」との違い

モックアップの類義語として、「ワイヤーフレーム」、「プロトタイプ」という単語があります。どちらもwebサイトやアプリの制作現場で用いられる言葉です。

ワイヤーフレームは、サイトやアプリの構成、遷移関係、レイアウトなどを示した図のことです。ワイヤーフレームを作成する段階では、詳細のデザインなどはおこなわず、主にモックアップを作る前に作られるものです。

プロトタイプは、実際に動作を確認できる部分的な試作品のことです。モックアップが外観のデザインの確認に用いられるのに対し、プロトタイプは機能や操作性を確認するために用いられ、モックアップ作成後に作成されます。

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モックアップ / mock-upの使用例

「まずwebサイトのモックアップを作ってチームの共通認識をとろう」

モックアップを作ることで視覚的な完成イメージを共有することができ、制作物の課題発見だけでなく、方向性を決定・修正することもできます。

「モックアップを作ると、細かい部分まで確認できるね」

モックアップを作成すると、開発途中であっても比較的低コストで細かい部分まで確認することができます。

「無料の素材を使って、来年リリース予定のwebサイトのモックアップを作ってみたよ」

モックアップは、完成品よりも安価な素材を使って作成されることがあります。モックアップを作成するための無料素材サイトにはウェブサイト用のものもあり、macやスマホ画面の画像をインストールすることができます。

「盗難防止のためにモックアップを展示しよう」

セキュリティ等の観点から、商品の展示品として実物でなくモックアップが展示されることもあります。

モックアップ / mock-upに関係した気になる話題

IT業界以外でのモックアップの意味

IT業界以外でも、建築業界や自動車業界、家電業界などでモックアップが用いられます。

建築業界では、実物よりも小さいサイズの模型がモックアップと呼ばれます。また、小さな模型だけでなくマンションや一戸建て住宅のモデルルームもモックアップの1つです。ホテルの建設においては、「モックアップルーム」と呼ばれる部屋を先に仕上げ、内装などの確認と調整を行います。

次に、自動車業界では、製品を量産する前に、実物大の模型としてモックアップを作ります。木やプラスチックなどの安価な素材を用いて作られ、コストを抑えながら精密に、詳細設計や内部デザインができるという特徴があります。また、航空機産業などでも、同様な理由で航空機のモックアップが作られます。

さらに、家電業界では、店頭や展示会で商品見本として用いられます。サイズや質感、重さなど、実物を置かなくてもユーザーが手にとって感じられるというメリットがあります。また、実際に動作する「ホットモックアップ」も一緒に展示されることもあります。

デジタルとモックアップを組み合わせた「デジタルモックアップ」とは

デジタルモックアップとは、実物の模型を作成せずに、製図データなどから製品の外観や構造などを3DCGとして作成した模型のことです。デジタルモックアップを用いることで、画面に表示したりコンピューター上で修正をおこなったりします。モックアップ作成に多大な時間やコストがかかる場合に便利です。

近年はVR技術などと組み合わせて、よりリアルに近い検証をおこなえるような取り組みもおこなわれています。


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