IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月22日

いんばうんど

インバウンド

マーケティングの分野では、主に「企業に対してユーザーが自発的に接触してくること」を指します。

英字

POINTインバウンドとは

インバウンド(inbound)とは英語由来の言葉で、直訳すると「本国行きの」「市内に向かう(交通機関等)」といった意味があります。もともとは「外から中に入り込む」という意味ですが、日本語のインバウンドは一般的に(観光業界の)「外国人が日本を訪れて観光すること」を指して使われることが多いです。インバウンドの対義語として、自国から外国へ旅行する「アウトバウンド」という言葉もあります。

インバウンドは観光以外の場でも業界用語として使用されています。
・一般的なビジネスシーンにおけるインバウンド(マーケティングの分野)
・ITにおけるインバウンド

分野によってそれぞれ意味が大きく異なるケースがあります。

観光におけるインバウンドの意味

現在、日本では「インバウンド」という言葉は、「外国人観光客」を指して使われるケースが目立ちます。観光業界ではほかの言葉と組み合わせた使用するこもあります。
具体的には、インバウンド観光、インバウンド客、インバウンド対策、インバウンド需要、インバウンド市場、インバウンド消費、インバウンド事業などが挙げられます。

マーケティングにおけるインバウンドの意味

マーケティングの分野において一般企業の場合、「インバウンド」とは「企業に対してユーザーが自発的に接触してくること」を指します。

また、企業側がSNSやブログ、検索エンジンなどのメディアを用いてユーザーに有益な情報発信をおこない、ユーザーに見つけてもらうことで自社やその商品・サービスに興味を持ってもらえるように仕掛けることを「インバウンドマーケティング」と言います。

一方、対義語として「アウトバウンド」という言葉があり、「企業が能動的にユーザーに接触する」ことを意味します。これを用いたマーケティング手法を「アウトバウンドマーケティング」と言います

ITにおけるインバウンドの意味(コンピュータやインターネットなど)

IT業界における「インバウンド」とは主に「受信」を意味する言葉として使用されます。
関連用語として、「インバウンド通信」「インバウンドトラフィック」「インバウンドデータ」などがあります。

ほかにも、外部サイトへ貼られた自社サイトへの被リンクのことを、「インバウンドリンク」と呼ぶ場合もあります。

「インバウンド」を調べた人はこの用語も調べています

インバウンドの使用例

「インバウンド業務は任せる」

この場合のインバウンドは、ユーザーからの電話やメールなどの問い合わせや運営しているWebサイトへの訪問など、ユーザーのアプローチに対する対応のことを指します。

「「2020年のオリンピックに向けてインバウンド事業を新たに考えよう」

インバウンドとは「外国からの観光客」を指す場合もあります。このシーンでは「インバウンド客という新たな客層を取り込む戦略を考える」という意図で使われています。

「インバウンド不倫とは」

日本人が訪日している外国人を不倫することを言います。主に観光業界で誕生した言葉です。

「「インバウンド通信って何のことですか?」」

IT業界(コンピュータやネットワーク)では、外部から内部へ受信する情報のことを指します。

インバウンドに関係した気になる話題

日本におけるインバウンド客の重要性

日本ではインバウンド客が注目されていますが、その主な理由は2つあります。

・新たな客層の獲得
2018年、インバウンド客数は日本の人口の3分の1にあたる3000万人以上になります。客層が広がることで、収益がアップするだけでなくビジネスの選択肢を増やすことができます。
また、外国人訪問者は購買意欲が高い特徴があるので、インバウンド客の取り込みは収益アップにおいて非常に魅力的な存在になります。

・繁忙期と閑散期の差をなくせる
観光業は繁忙期と閑散期で収益に大きな差が生まれます。外国人観光客をうまく取り込むことで、この差をなくすことができます。

インバウンドマーケティングが重要になった理由

インターネットが普及する以前は、アウトバウンドマーケティングがよく用いられていました。(テレビCMや電話マーケティングなどの一方的に情報を届けること)

しかし、アウトバウンドマーケティングの一方的に送られてくる情報に対して、不快感を示す人も多く、インターネットの普及とともにアウトバウンドマーケティングは衰退していきました。

現在は、消費者の「自分から情報を探したい」という心理的変化に加え、インターネット時代特有の費者行動の変化も相俟って、消費者自らの情報収集の助けになるインバウンドマーケティングの需要が高まってきています。

インバウンドマーケティングではコンテンツ(マーケティング)が大切

インバウンドマーケティングはいわゆる「プル型」で有益な情報で相手を引き込む手法になります。この手法をおこなう際は、合わせてコンテンツマーケティングもおこなうと効果的です。

コンテンツマーケティングとは、インバウンドマーケティングの手法の一つで「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、購買行動へ結び付けること」にフォーカスしたマーケティング方法です。価値のあるコンテンツを配信することでユーザーの興味・関心を集めることができ、多くのユーザーに商品・サービスを知ってもらうことが可能です。


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