IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月18日

ふりーみあむ

フリーミアム / freemium

基本的な機能を無料で提供し、課金によって収益を得るビジネスモデル

英字

POINTフリーミアム / freemiumとは

フリーミアムとは、「フリー(無料)」と「プレミアム(割増料金)」を合わせた造語です。基本的なサービスや製品を無料で提供し、より高度な機能やサービスに関しては有料でおこなう事により収益を得るビジネスモデルです。

フリーミアムはその特性上、大多数の無料ユーザーと一部の有料ユーザーという形で成り立っているものがほとんどです。一般的にフリーミアムの課金者の割合は2~5%だと言われています。近年では、ソーシャルゲーム業界でこのビジネスモデルがよく導入されている傾向にあり、多数の無料会員を集め、その中の数%のユーザーによって多くの利益を上げています。

フリーミアムは2006年頃に米国のベンチャー投資家フレッド・ウィルソンがジャリド・ルーキンの発案をもとに提唱しました。その後、2009年にクリス・アンダーソン著のFree: The Future of a Radical Price(フリー<無料>からお金を生みだす新戦略)」がヒットし、世間に広く認知されました。

フリーミアムのメリット

フリーミアムのビジネスモデルが持つ主なメリットは5つあります。
①基本無料なので多くのユーザーに体感してもらえる
新規事業を展開する上で、多くのユーザーに商品・サービスを体験してもらう必要があります。基本的に無料で利用できるので、多くのユーザーは気軽に体験することができます。

②認知拡大がしやすい
基本機能を無料で提供することで、はじめから有料のものと比較して、利用の敷居は低くなります。多くのユーザーに利用してもらうことは、認知度拡大につながります。

③口コミ効果が期待できる
多くのユーザーに利用してもらい、満足度が高ければ、多数のポジティブな口コミを生み出せる可能性があります。例えば、口コミやレビューを記入すると何か特典がもらえるキャンペーンなどの施策を実行すると、より効果的に口コミを集めることが可能です。

④ファンがファンを呼ぶ場合がある
ユーザーの口コミやレビューは、新しいユーザーに魅力を宣伝する広告の役割を果たす場合があります。オンラインストレージをフリーミアムで提供している「Dropbox」は、友人にサービスを紹介すると特典が貰えるという施策によって、それほど広告費をかけずに認知度を大きく拡大することに成功しました。

⑤多くのユーザーからのフィードバックが獲得できる
ユーザーのフィードバックをもとに商品・サービスの開発・改善などに役立てることが可能です。フリーミアムならば比較的多くのユーザーのフィードバックを獲得できます。

フリーミアムのデメリット

フリーミアムのビジネスモデルが持つ主なデメリットは2つあります。
①黒字化まで長い期間を要する
無料で基本機能を提供し、後に有料会員を獲得していくという特性上、事業の初期段階から黒字化することは困難です。一般的に黒字化するまでには長い期間を要すると言われています。

②収益を生み出す仕組みづくりが困難
「無料」で製品を提供することがフリーミアムの強みですが、多くのユーザーが無料プランで満足してしまうといった可能性もあります。有料プランを利用してもらえず、ユーザー数は多いのに収益化できない場合があるので、「どこまで無料にして、どこまで有料にするか」を適切に判断する必要があります。

収益モデル6選

フリーミアムにはサービスによって、様々な収益モデルがあります。
基本機能を無料で提供することは共通していますが、その後の課金方式などはサービスによって異なります。
①機能追加型
課金することで新しい機能を追加できる形式です。フリーミアムの収益モデルの中でも、最もスタンダードなものと言われています。

②限定機能型
機能追加型と類似していますが、こちらは「有料会員になれば制限されている機能が解放される」という形式になります。

③容量追加型
主にクラウドサービスでよく見られるタイプで、課金することで多くの容量を追加できる収益モデルです。

④会員限定型
有料会員になることでコンテンツの閲覧制限が解除される形式となっています。

⑤会員特典型
有料会員になることで割引特典やランニングコスト削減などが可能なタイプです。
例えば、Amazonや@cosumeなどのネットショップ機能を持っているサービスはクーポンを配布しています。

⑥都度課金型
有料会員への登録ではなく、必要に応じてその都度課金させるタイプの収益モデルです。
LINEのサービスがこれに該当します。LINEは無料のメッセージアプリで、リリースしてからあっという間に世界的なコミュニケーションツールとして台頭しました。
LINEは「スタンプ」という独自のコミュニケーションツールを提供しており、有料のスタンプの売り上げは2014年時点で10億円を超えていると言われています。

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フリーミアム / freemiumの使用例

「フリーミアムで新規事業を展開しよう」

「フリーミアムだと多くのユーザーを獲得できるけど、収益化まで時間がかかるな」

「LINEやDropbox、食べログなどの有名なサービスはフリーミアムサービスです」

フリーミアム / freemiumに関係した気になる話題

フリーミアムに適した事業内容

フリーミアムに適している事業とは、主にデジタルデータをもとにした事業展開をおこうなうビジネスです。現状、フリーミアムで成功したほとんどの企業はWebコンテンツやインターネット経由で提供されているサービスに該当します(LINEやDropbox、食べログなど)。

フリーミアムの成功事例2選

①Dropbox( 容量追加型)
Dropboxは、オンラインストレージを無料で提供するサービスを展開しています。
Dropboxはユーザーにサービスを紹介したらストレージ増量のインセンティブを与えるという施策で、認知度を一気に拡大させました。ユーザー数が増えることで、有料会員も増加し、短期間で収益化することに成功しました。

②Spotify(限定機能型)
Spotifyは、4000万曲以上の音楽やポッドキャストを楽しめる音楽ストリーミングサービスです。基本的に音楽を無料で聴くことができますが、オフラインで聴けなかったり、聴きたいアルバムを指定できないといった制限があります。この制限に我慢できず、有料プランに移行する人が多く、フリーミアムサービスとして成功しました。


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