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更新:2019年12月23日

いーあーるぴー

ERP / 統合基幹業務システム

企業経営の基本となる「ヒト・モノ・カネ・情報」に関するリソースを一元化して管理し、効率的な経営を図る経営手法

別名
英字

POINTERP / 統合基幹業務システムとは

ERPとは「Enterprise Resources Planning」の頭文字を取ったもので、「企業資源計画」と訳されます。

ERPは、企業経営の基本となる「ヒト・モノ・カネ・情報」に関するリソースを一元化して管理し、効率的な経営を図る経営手法のことで、生産管理の手法であるMRPの概念をさらに発展させたものとして確立されました。

最近では、企業の中枢システムとして、大企業から中小企業まで、様々な業界の企業に広く導入されています。

MRPとの違い

MRPとは「Material Requirements Planning」の頭文字を取ったもので、「資材所要量計画」と訳されます。MRPは生産管理手法の1つで、資源の効率的な活用を目的とし、在庫管理を軸として生産計画を立てるというものです。

製造業における経営手法であるMRPを、一般の企業向けに発展させたのがERPです。システムが管理する企業資本の範囲も広がり、在庫だけでなく、会計や人事なども管理対象となりました。

ERPの目的

ERP導入の主な目的として、企業資源の一括管理による経営の効率化が挙げられます。

従来の経営手法では、各部門間での連携が取れていないため、データ共有のコストが発生したり、ミスの原因となることもありました。また、必要な情報を得るのに時間がかかるため、タイムリーな経営判断を下すことが難しいというデメリットもありました。

ERPは企業資本の一元化によって、これらのデメリットを解決し、経営の合理化を図ることを目的としています。

ERPのメリット

ERP導入の主なメリットとして、「迅速な経営判断」「経営資源の効率化」「内部統制の強化」が挙げられます。

情報の一元化をおこなうERPでは、企業の各部門の情報を一括にし、企業の状況をタイムリーかつ正確に把握、経営戦略を決定します。そのため、迅速な経営判断が可能となります。

また一元化した情報をもとに業務の見直しができるため、業務の効率化を図ることができます。これにより、経営資源の効率化とコスト削減が期待できます。

さらにデータの統制管理やモニタリングを確立することで、内部統制の強化にもつながります。

EPRのデメリット

ERPのデメリットの1つとして、パッケージ選定が難しいことが挙げられます。

ERPパッケージは国内製品だけでも数十種、海外製品と合わせると非常に多くの種類があります。そのためERPパッケージの選定は難しく、長い検討期間を要します。

ERPの費用

ERPには様々な形態のERPがあり、その製品によって費用は異なります。代表的なものとして、すべての業務を導入する「統合型」、業務単位で導入し、追加・拡張できる「コンポネート型」、単独業務のみを導入する「業務ソフト型」があります。

近年、増加してきているのが「クラウド型」で、インターネットを介してアプリケーションのみを使用できる環境を提供しています。クラウド型は初期コストがほとんどかからず、ERPを提供している会社に月額料金を支払うだけで利用できるため、費用がかなり抑えられます。

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ERP / 統合基幹業務システムの使用例

「我が社でもERPを導入しよう」

ERPを導入すると、経営資本の一元的な管理をおこなうことができるため、事業の効率化や経営判断の迅速化を図ることができます。

「どのERPパッケージを購入するか?」

近年、様々な業種・目的に対応したERPパッケージが提供されています。自社の業種・目的に合ったERPパッケージを選定することが大切です。

「クラウドERPでシステム運用を委託しよう」

クラウドERPの中には、システム運用をベンダーに一任できるものもあります。これによってコスト削減を図ることも1つの方法です。

「統合型ERPの導入を検討しよう」

統合型ERPはすべての業務をカバーしている形態のERPです。人事や会計、在庫など、企業内のデータを1つに統合して管理します。

ERP / 統合基幹業務システムに関係した気になる話題

ERPを支援するソフトのことを指す場合もある

多くの場合、ERPはリソースの統合的な管理により、効率的な経営を図る概念を指します。

しかし、この概念を支援するソフトウェアであるERPパッケージのことをERPと呼ぶ場合もあります。ERPパッケージは、基幹業務システムとして多くの企業で導入されています。

ERP製品の例(SAP R/3 オラクル アプリケーションズ)

ERPを実現するERP製品(ERPパッケージ)はもともと、製造業向けの情報処理システムとして開発されました。

しかし、現在は幅広い業種に対応したERP製品が開発されています。代表的なものとして、SAP社の「SAP R/3」、オラクル社の「オラクル アプリケーションズ」などが挙げられます。


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