ドメインとは、ホームページのURLやメールアドレスの一部に使われるもので、Web上のコンピューターやネットワークを識別するために用いる文字列です。URLであればwww以降、メールアドレスであれば@以降の文字列を指します。
1つのWebサイトやメールアドレスにつき1つが割り当てられ、同一のドメインは存在しません。そのため、ドメインを見ればどの企業のものなのか、どのサービスに関するものなのかがおおよそわかります。
また、大文字と小文字は区別せず、大文字と小文字が混在したドメインは、小文字だけの文字列のドメインと同じものを表します。
IPアドレスは、「172.16.20.1」などのような数字の羅列で、ドメインと同様に世界中のコンピュータに割り当てられている文字列のことです。しかし、IPアドレスは数字のみで表されるため、人に伝える際に覚えにくい傾向があります。
そこで、IPアドレスの代わりにドメインを利用し、数字のみで表されるIPアドレスをわかりやすく表示できるようにしています。
IPアドレスは機械に理解しやすい数字の羅列、ドメインは人が理解しやすい文字列ともいえるでしょう。
ドメインとIPアドレスの紐付けはDNSによって管理されている
ドメインネームシステム(DNS)は、ドメインとIPアドレスを紐付けを管理しているシステムで、ドメイン名がどのIPアドレスに紐づいているかが記録されています。
そのため、DNSサーバーでは、メールアドレスやWebサイトで使われているドメインがどのサーバーで運用されているのかを探し出すことができます。
例えば、DNSによって実際にサイトが表示される仕組みは以下の通りです。
①WebブラウザでドメインまたはURLを検索する
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②DNSサーバーに対して目的のドメインのIPアドレスをたずねる
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③帰ってきたIPアドレスをもとにWebサーバーを訪ねる
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④Webサーバーから目的のURLに関連するファイルをもらう
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⑤Webサーバーから受け取ったコンピューター言語で書かれているファイルをWebブラウザが翻訳する
このようにDNSがあることで、IPアドレスよりもわかりやすい文字列であるドメインからでもWebサイトに訪問できる仕組みになっています。
ドメインの基本の構成要素
ドメインには「トップレベルドメイン」「セカンドレベルドメイン」「サードレベルドメイン」の3つの構成要素が存在します。
①トップレベルドメイン
「トップレベルドメイン」はドメイン名の一番右の文字列で、「分野トップレベルドメイン(gTLD)」「国コードトップレベルドメイン(ccTLD)」「属性型JPドメイン」の3種類があります。
②セカンドレベルドメイン
「セカンドレベルドメイン」はドメイン名の右から2つ目の文字列で、組織の種類を表しています。「co」や「ne」などが有名です。
③サードレベルドメイン
「サードレベルドメイン」はドメイン名の右から3つ目の文字列で、ドメイン名の利用者を独自に設定することができます。この部分を独自ドメインと呼びます。
「com」「net」などの一部のトップレベルドメインによっては、サードレベルドメインがセカンドレベルドメインの部分に入ることもあり、その場合はサードレベルドメインがなくなります。
ドメインの種類
「分野トップレベルドメイン(gTLD)」「国コードトップレベルドメイン(ccTLD)」「属性型JPドメイン」の3種類が存在します。
①「分野トップレベルドメイン(gTLD)」
国や地域などの場所に関わらず、どこからでも登録・利用できるもので、例としては「com」「net」「org」「 biz 」「info」などがあります。
②「国コードトップレベルドメイン(ccTLD)」
国や地域ごとに定められているもので、住んでいる国に対応した国コードトップレベルドメインしか取得できません。日本なら「.jp」アメリカなら「.us」が取得できます。ただし、取得できる対象は個人と団体に限られています。
③「属性型JPドメイン」
国と組織を識別するためのドメインで、「co.jp」「or.jp」「ne.jp」「ac.jp」「go.jp」などがあります。ネットワークサービスを表す「ne.jp」以外は1つの組織で1つまでしか取得できないのが特徴です。
独自ドメイン、サブドメインとは
独自ドメインではユーザーが自分で名前を決め、唯一無二のドメインを作成することができます。独自ドメインの登録は先着順なので、すでに使われていれば登録できません。
サブドメインは独自ドメインを細かく分割し、複数のユーザーに個別に割り当てるためのもので、独自ドメインの所有者のみが作成できます。独自ドメインの前に「.」で区切った文字列の部分がサブドメインです。サブドメインは親ドメインがペナルティを受けたり、他のサブドメインの影響によって、検索順位が変動するのが特徴です。
このドメインは既に使われています
ドメインは他のWebサイトと同一のものを作ることができないので、希望のドメインが既に使われている場合はトップレベルドメインを変更したり、文字列にハイフンを利用してみてください。
このドメインは仕事や作品に関するサイトなんだな
トップレベルドメインを見れば何に関するものを示しているのかがおおよそわかります。
例えば最も登録数の多い「.com」は個人・法人用の商用向けサイト、「.work」は仕事や作品、「.net」であればネット関連のサイト向けのドメインです。
不審なドメイン名の送り主からメールが届いた
メールアドレスの一部として使われるドメインでは、数字を使用しているIPアドレスとは異なり、文字列を用いているため、不審なドメイン名が使われていれば比較的気づくことができるかもしれません。身に覚えのないメールが送られてきたら、メールアドレスのドメインを確認してみましょう。
独自ドメインを取得する方法
独自ドメインの取得はドメイン登録業者で行いますが、取得方法は業者によって異なります。ここでは、独自ドメインを取得する大まかな流れを説明します。
①使いたいドメインを検索する
あらかじめ使いたいドメインを決めておきます。もし希望のドメイン名が使われていれば、そのドメインは取得できません。ドメインの用途によって最適なドメインが異なるので、適したドメインを確認します。例えば、会社で使う場合は「co.jp」が適しています。
②ドメインを取得する会社でドメインを購入する
取得できるドメインの種類の豊富さ、サポート体制、会社の規模等を確認し、利用者からの評判が高い会社を選ぶのが望ましいでしょう。会社の規模によっては、突然倒産してサービスが終了する恐れがあります。
③Whois情報公開代行サービスを利用する
ドメイン取得時に登録したドメイン取得者の住所や電話番号、名前等の個人情報はインターネットで検索すれば誰でも観覧することができます。
必ずしもサービスを利用しなければいけない、というわけではありませんが、Whois情報公開代行サービスを利用することで個人の情報の代わりに、Whois情報公開代行サービス会社の情報がWeb上に掲載されるので、個人情報を公開したくなければ、Whois情報公開代行サービスを利用する方法があります。
④DNSサーバーを設定する
事業者の提供するDNSサーバーを利用するには、各社の指定するコントロールパネル等からDNS情報設定を行います。自分でDNSサーバーを設定するには、ソフトウェアを使ってDNSサーバーを構築し、DNS情報の設定を行う方法があります。サーバーを設定する際、利用するIPアドレスやDNSサーバーを正確に登録しなければWebページが表示されなかったり、メールが届かない恐れがあります。
独自ドメインを取得するメリット
①お店の名前やホームページのタイトルなど、好きな文字列のドメインがつくることができる
名刺や広告に掲載する際など、人に伝える時に覚えてもらいやすくなります。
②サーバーを移動しても、同じドメインを使用することができる
同じドメインを使用できるため、継続してサイトの訪問数を維持できます。
③SEO(検索順位最適化)で有利になれる
検索結果の表示順位が高ければ高いほど訪問率があがるSEOの検索順位の評価対象は、独自ドメインのみが対象です。そのため、独自ドメインを取得することで検索エンジンから正しく評価してもらうことができます。訪問数が増えるほどサイト内のサービス利用や認知が増えるので、サービスや商品を扱う企業や個人にとって、検索結果の表示順位があがることは利点といえます。
また、レンタルサーバーで取得した無料のドメインを使用すると、同じレンタルサーバー会社のドメインを取得している全ユーザーが検索評価対象となるため、サイト順位は他のユーザーによって変動することがあります。そのため、もし他のユーザーがペナルティを受けると自分のサイトの順位も下がってしまう可能性もあるので、自分のサイトを運営したい場合は独自ドメインを取得した方が良いでしょう。
④広告が付いていない
独自ドメインには広告が一切ついていないため、広告から別のWebサイトに訪問者が流れることが減ります。また、広告が付いていないことでWebサイトの信頼性が高まるでしょう。
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