IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月22日

でーたさいえんてぃすと

データサイエンティスト

ビジネスに役立つ情報を大量のデータの中から収集・分析し解析する職業のこと

別名
英字

POINTデータサイエンティストとは

データ・サイエンティストとは、ビジネスに役立つ情報を大量のデータの中から収集・分析し解析する職業です。溢れた情報の中から収集すべき情報を探し出す力が必要になる職務であり、統計解析やITのスキル、心理学に加えて、ビジネスや市場トレンドなど幅広い知識が求められます。

近年、「ビックデータ」への企業の関心が高まったことで、データサイエンティストの需要も拡大している傾向にあります。データサイエンティストが「ビックデータ」を分析することで、効率的なマーケティングをおこなうことができ、企業のビジネス上の課題、経営戦略にも役立てることができます。

データサイエンティストは世界中で注目されつつある職業であり、分析のプロフェッショナルとなる人材の需要が高まっていると言えます。一方、「データサイエンティストに将来性は乏しく、今後なくなる職業の一つである」という声も増加している傾向にあります。

データサイエンティストの主な仕事内容

データサイエンティストの主な仕事内容を紹介します。

①経営課題の把握
データサイエンティストは、データを収集・分析・解析する前に下記の仕事をおこなう場合があります。
・課題の発見と優先順位付け
・達成目標とする数字の明確化
・上記を達成するための仮説の立案

②データを収集し分析する
まずは分析に必要となるデータの収集をおこないます。場合によっては膨大なデータの中から情報を収集する必要があります。次にプログラミングの知識、統計学の知識を使い集めたデータを分析します。

③仮説検証
分析結果をもとに最初に立てた仮説を検証します。

④報告
検証結果を報告します。データサイエンティストが、この結果を基に企業が次におこなうべきアクションの提案をするケースがあります。
この場合は、分析に関する知識だけでなく、経営戦略に関する知識が必要になってきます。

一言でデータサイエンティストと言っても業界・企業によって仕事内容は大きく変わる

データサイエンティストはITの分野のみで使われる言葉ではありません。
金融・保険、製造業、小売・物流、サービスなど、さまざまな業界がそのスキルを必要としているのです。また、業界によってその仕事内容も大きく変わります。

例えば、大規模なデータを分析することで、ユーザーのニーズを探し出すアナリティクス業務が主体のケースもあれば、機械学習モデルの作成が主な仕事の場合もあります。

データサイエンティストが生まれた背景・歴史

データサイエンティストの起源は1960年代に汎用コンピュータでのデジタルデータの収集・利用されたことから始まります。
1990年代に入りコンピュータの計算能力が向上することで「データマイニング(膨大なデータから有益な情報を発掘する技術の総称)」の研究が盛んになりました。2000年代に入り、インターネットの普及によるデータ量の増大、安価な計算リソースの登場によりデータ分析が一般化し職業として「データアナリスト」が生まれました。

その後、2010年代に突入すると、技術が進み、データの重要性が広く認識されるようになりました。このタイミングでデータ分析をもとに解決策を提案する「データサイエンティスト」が誕生しました。

近年、データサイエンティストの需要は増している傾向にありますが、一方で高度な知識を持たないユーザーでも解析が出来るシステムの開発が進んでいます。

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データサイエンティストの使用例

「データサイエンティストになるために資格の勉強をしているんだ」

データサイエンティストの勉強にオススメの資格を紹介します。
①Python3 エンジニア認定データ分析試験 ② 統計士・データ解析士 
③ 統計検定 ④ 基本情報技術者試験/応用情報技術者試験 ⑤ データスペシャリスト試験
⑥ オープンソースデータベース技術者認定試験 ⑦ オラクルマスター ⑧ G検定・E資格

「データサイエンティストになるには、プログラミングや統計学以外の幅広い知識が必要になります。」

心理学や経営戦略に関する知識など、AIの進化とともに今後は幅広い知識が必要になる傾向にあります。

データサイエンティストに関係した気になる話題

ビッグデータとは

ビッグデータとは、一般に、インターネットの普及とITの進化によって生まれた、事業に役立つ知見を導くためのデータのことを指します。「データの多量性」だけでなく、「多様性」があるデータを指します。

ビックデータを構成する要素を端的にまとめた「3V」というものがあります。
1.Volume(データ量が多いこと)
2.Variety(データの種類が豊富であること)
3.Velocity(データ生成の頻度が高く、スピードが速いこと)

これらがビックデータの主な特徴になります。

近年、ビックデータはビジネスの場で注目されつつあります。以前までは、これらの膨大なデータを解析することは難題となれていましたが、インターネット技術の向上により、高速かつ正確にデータの分析・解析をおこなうことが可能となりました。
また、ビックデータの解析を得意とした「データサイエンティスト」という職業も誕生しています。

データサイエンティストという職業は将来なくなるかもしれない?

近年、データサイエンティストの需要が高まる一方で、「データサイエンティストという職業は将来なくなる」といった声も増加しています。

結論として、データサイエンティストという職業自体がなくなる可能性は低いですが、AI技術の進化によって仕事内容が減ってしまう可能性が高いです。

AIによるデータ活用の技術は日々発展しており、人間では困難な作業でもAIならば効率的におこなうことができます。
例えば、膨大なデータの収集・分析の作業などは、人間よりもAIの方が遥かに効率的です。しかし、だからといってデータサイエンティストが不要になるという訳ではありません。

データのない一からの作業(新たなモデル作成、開発)は、AIの苦手な分野であり、将来的にもそういった苦手分野を克服し、人間のスキルを超える可能性は低いと言われています。

今後はデータの収集・分析・解析しかできないデータサイエンティストの需要はなくなり、収集・分析・解析に加えて、業界の現状を踏まえた上で課題を解決する方法を提案できる人材が求められる可能性が高いです。


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