IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月22日

くらうどそーしんぐ

クラウドソーシング

ネットを使って不特定多数の人々に業務を外注するサービス

別名
英字

POINTクラウドソーシングとは

クラウドソーシングとは、不特定の人や群衆を意味する「crowd(クラウド)」と、業務委託を示す「sourcing(ソーシング)」を組み合わせた造語で、ネットを使って不特定多数の人々に業務を外注するサービスのことを指します。
クラウドソーシングは、仕事の依頼や打ち合わせなどを直接面会するのではなく、すべてネット上で完結させ、業務を遂行し報酬を受け取る、「ネットを使った在宅ワーク」とも言える働き方です。

近年、クラウドソーシングは新しい働き方として注目されており、今後はフリーランスの方で、このクラウドソーシングだけで生計をたてているという人も増加していく可能性があります。

クラウドソーシングの種類

クラウドソーシングはいくつかの形態に分類できます。
ここでは主に代表的な形態を3つ紹介します。

・プロジェクト形式
プロジェクト形式とは、プロジェクト形式とは、依頼者が提示した案件に対して、その仕事を受けたい受注者が応募し、お互いの条件が一致してから1対1で仕事を進めていく形式です。案件としてはプログラム開発やアプリ開発、ホームページ構築や記事執筆などがあり、中から小規模で比較的長期にわたっておこなわれる案件に適用されます。

・コンペ形式(コンテスト形式)
コンペ形式は、「バナー作成」と発注した場合、不特定多数のクラウドソーサーからデザインやアイデアを提供される形式です。発注した側は、採用したクラウドソーサーにのみ報酬を支払います。
一般的には、ロゴ作成、バナー作成、キャラクター作成、ネーミングなどの案件で使われる形式です。

・タスク形式
アンケート依頼者が作業内容や条件、報酬をあらかじめ提示し、条件の合う人がその場ですぐに作業を行うという、クラウドソーシングの形式です。
アンケートやデータ入力、文字お越しなど複数人で取り組める簡単な仕事で多く使われています。

クラウドソーシングにおける発注側のメリット

発注側のメリットは主に4つあります。

・制作コストの削減
クラウドソーシングの最大のメリットは、コストの削減ができることです。発注側はあらかじめ予算や納品期限などを設定して応募できるので、低予算かつスピーディーに依頼できます。また、支払う金額も案件単位なので雇用するよりコストを抑えることができます。

・得意ではない仕事を任せられる
企業にとって得意・苦手の分野がありますが、クラウドソーシングを活用すれば、企業の苦手分野とする専門知識やスキルを持った人材に仕事を任せることができます。

・クライアントの増加
作業を効率化し、複数の案件を同時進行できれば、結果的に多くの仕事を受けることができます。海外のクラウドソーサーに発注すれば、時差を利用して24時間体制で案件を進めることも可能です。

・新しい人材の獲得につながる
クラウドソーシングは、将来雇用する人材を探すツールとして用いることもできます。
外注として仕事を任せますが、外注した仕事の成果をみて、実際の仕事ぶりやスキルを判断できます。
実際の仕事ぶりや能力が分かる状態でスカウトすることも可能ですし、長期的に業務を任せることも可能です。

クラウドソーシングにおける発注側のデメリット

発注側のデメリットは主に2つあります。

・セキュリティの懸念
クラウドソーシングの場合、個人情報や企業機密が外部に漏れてしまう可能性があるので、セキュリティ意識の高い人材を見極める必要があります。
また、自社のノウハウが流失してしまう可能性もあります。

・信頼できる外注先を見極めるのが困難
多くのクラウドソーサーの中から、信頼できる人材を探すのは困難です。
クラウドソーシングは、業務に関する返信がケースや、途中で連絡が取れなくなってしまうといったトラブルが発生しやすいです。どんなに柔軟に対応してくれる人材でも、”プロ”であるとは限りませんので、注意する必要があります。

クラウドソーシングにおける受注側のメリット

受注者側のメリットは主に2つあります。

・仕事を自由に選ぶことができる
クラウドソーシングを活用できれば、自分の得意とする分野の仕事だけを受注できます。
また、基本的に勤務時間は自分で設定するので、ワークライフバランスに合わせて仕事ができます。

・実際にクライアントと対面しなくてもメールで完結できる
クラウドソーシングではクライアントとのやりとりは基本的にメールでおこないます。その他チャットやSkypeで打ち合わせをすることもありますが、実際にクライアントに会うケースは稀です。
そのため、地方にいながら都内の仕事を受けることもでき、交通費などがかかりません。

クラウドソーシングにおける受注側のデメリット

受注側のデメリットは主に3つあります。

・収入が不安定
クラウドソーシングの受注者側の最大のデメリットは収入が不安定なことです。
仕事単価が比較的安価なものが多いため、継続的に仕事を受注できなければ収入は安定しません。また、仕事の受注は能力によって決まることが多く、場合によってはスキルの高い人物に仕事を奪われてしまう可能性もあります。

・クライアントの判断が難しい
実際にクライアントと対面するわけではないので、相手が信頼できる人物か見極めるのが困難です。途中で音信不通になる、契約外の作業を押し付けてくる、といった可能性があるので注意しましょう。場合によっては、クラウドソーシングサイトに仲介してもらってトラブルを回避する必要があります。

・外部の信頼を得にくい
クラウドソーシングを主な収入としているフリーランスは、会社員とは違い、外部の信頼を得にく場合があります。銀行の融資を受けにくい、大手企業から仕事を受けることが難しい、といったデメリットが挙げられます。

「クラウドソーシング」を調べた人はこの用語も調べています

クラウドソーシングの使用例

「企業には所属せず、クラウドソーシングのサービスを利用して収入を得ています」

近年は働き方改革の影響もあり、フリーランスとして活動する人が増加傾向にあります。

「この分野はクラウドソーシングで賄うことで、コストを削減できた」

クラウドソーシングの発注者側の最大のメリットはコストを削減できることです。実際に雇用せずとも必要な時に、必要な人材を調達できます。

「クラウドソーシングを活用すれば、副業がしやすそうだ」

自分で仕事や勤務時間を決めることができるので、副業にも注力したい方の場合、適している働き方です。

「クラウドソーシングの役割は今後も大きくなる」

労働力人口の減少や人材の流動化が進むなか、クラウドソーシングの需要はますます高まっていくと見込まれています。
また、労働者の多様な働き方の実現や、都市部と地方における所得格差の是正という観点においても、クラウドソーシングが果たす役割は大きなものになっていくと考えられるでしょう。

クラウドソーシングに関係した気になる話題

クラウドソーシングが誕生した背景

クラウドソーシングは2000年代頃から使われ始めました。
2006年6月に米国の雑誌「WIRED」の編集者であるジェフ・ハウ氏が、同誌の記事で科学課題解決コミュニティーサイトや写真素材提供サイトなどがビジネスや研究開発に多くの影響を与えていることを紹介し、これらの現象をクラウドソーシングと名付けました。

アウトソーシングとの違い

アウトソーシングとは、業務を外部の専門業者などに委託することです。一般的に外注と呼ばれているものは、大抵このアウトソーシングのことを指します。
一方、クラウドソーシングとはネット上で業務を不特定多数の人に委託することです。

・アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングの場合、相手の顔が見えるケースが多く、円満なコミュニケーションをとれる可能性が高いです。また、品質の高さも安定しているので、依頼側としては非常に安心感があります。反対に品質の高さが担保される分、それに応じてコストが高くなることがあります。また、相手と相談しながらおこなうため、依頼者側が求めるスピード感で案件が進まないといったこともあります。受注側が多数の案件を抱えている人気の制作会社や個人であれば、さらに納品期日が延びることも考えられます。


・品質や納品期日に対する安心感を求めるなら→アウトソーシング
・品質よりも金額感を重要視するなら→クラウドソーシング 
上記のように、クラウドソーシングとアウトソーシングにはそれぞれメリット・デメリットがあるので状況に合わせて使い分けるとよいでしょう。


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