IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年2月16日

くらうどふぁんでぃんぐ

クラウドファンディング

インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る仕組み

別名
英字

POINTクラウドファンディングとは

クラウドファンディング(crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る仕組みです。
クラウドファンディングは、資金を調達して自分の夢や活動を実現したい起案者と、起案者に共感し応援したいと思った支援者から成ります。発展途上国の支援や商品開発、飲食店の開業支援など、幅広いプロジェクトがクラウドファンディングによって実現されています。

クラウドファンディングの流れト

クラウドファンディングの流れを起案者視点と支援者視点で説明します。

・起案者視点
まず、起案者はクラウドファンディングサイトにアイディアを申請し掲載してもらいます。次に、目標金額を決め、プロジェクトを積極的に発信しながら資金集めを行います。資金が集まったらプロジェクトを開始し、プロジェクトの終了報告を行います。プロジェクト終了後、支援者にリターンや感謝の気持ちを送り、クラウドファンディングが終了します。

・支援者視点
まず、支援するプロジェクトの選定し、プロジェクトに出資・寄付をします。支援したプロジェクトの進捗を確認し、経過を見守ります。最後に、リターンなどを受け取りクラウドファンディングを終了します。

クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングには起案者と支援者にとってそれぞれメリットがあります。

起案者にとってのメリットは、資金調達ができる、市場に出る前のユーザーの反応を知ることができることが挙げられます。やりたいことがあっても資金がない人が資金を集められるほか、クラウドファンディングならではの支援者との双方向のコミュニケーションを用いて、ユーザーの反応を伺いながら商品開発をおこなうことができます。

支援者にとってのメリットは、魅力的なリターンが期待できる、起案者との双方向のコミュニケーションができることが挙げられます。プロジェクトによってはリターンとして販売前の商品を手にすることができることもあります。また、クラウドファンディングでは起案者と双方向のコミュニケーションをとりながらプロジェクトの実現を支援できます。

クラウドファンディングのデメリット

起案者にとってのデメリットは、目標金額集まらないかもしれない、プロジェクトが頓挫したときにリスクがある、アイディアが盗用されるかもしれないということが挙げられます。目標金額が集まらなければプロジェクトの実現ができませんし、目標金額が集まってもプロジェクトが頓挫すれば、社会的な信用を失ってしまう恐れがあります。また、プロジェクトを始める前にインターネット上にアイディアを掲載するため、開発途中でアイディアを盗まれてしまうリスクもあります。

支援者にとってのデメリットは、プロジェクトが必ず成立するとは限らない、トラブルでリターンが受けられない場合があるということが挙げられます。自分が出資してもプロジェクトの目標金額に到達しなければ、プロジェクトはその時点で終了してしまいます。また、目標金額に達しても起案者からリターンが送付されない場合や、不測の事態などによって集めた資金が正しく使われない場合もあります。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングには大きく3種類あります。

1つ目は購入型です。購入型は起案者はある商品を作るために資金を調達し、支援者はそのリターンとして商品やサービスなどを受け取る仕組みです。
2つ目は寄付型です。寄付型は支援者に金銭的なリターンがなく、代わりに起案者から感謝の手紙やプロジェクトの進捗報告などのお返しがあります。
3つ目は金融型です。金融型は支援者に金銭的なリターンが発生する投資のようなものです。ファンド型、株式型などがあります。

クラウドファンディングの決済方法

クラウドファンディングの決済方法には大きく2種類あります。

1つ目は、All or Nothing方式です。All or Nothing方式では、起案者は目標金額を達成した時のみ資金を受け取ることができ、目標金額が達成されなかった場合は支援者に全額返金される仕組みです。
2つ目は、All in方式です。All in方式では、目標金額以上の資金が集まったかどうかにも関わらずプロジェクトが成立し、起案者は資金を受け取ることができます。ただし、起案者はクラウドファンディング開始時にプロジェクトの実行を確約する必要があります。

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クラウドファンディングの使用例

「クラウドファンディングの支援者になろうかな」

クラウドファンディングの支援者になれば、プロジェクト成立後、起案者からリターンや感謝の気持ちなどを受け取ることができます。興味のあるプロジェクトを探してみるのもいいかもしれません。

「クラウドファンディングで目標金額が集まらなかった…」

目標金額が高すぎたりプロジェクトの魅力が支援者に伝わりにくかったりすると、目標金額を集めることができないかもしれません。目標金額設定を見直したり、より魅力邸に感じてもらえるようなプロジェクトサイトを作成したりするとよいでしょう

「クラウドファンディングで詐欺があるらしいよ」

クラウドファンディングで集めた資金を不正に使ったり持ち逃げしたりするといった詐欺事件が実際にありました。クラウドファンディングに出資する際は、プロジェクトの進捗を確認したり、本当に実現可能なものであるのか見極めたりすることが必要です。

「クラウドファンディングで資金を集めて夢を実現しよう!」

クラウドファンディングで起案者の想いに支援者の共感が集まれば、夢が実現できるかもしれません。資金調達手段の1つの方法としてクラウドファンディングを考えてみるのも良いでしょう。

クラウドファンディングに関係した気になる話題

クラウドファンディングの市場規模

世界のクラウドファンディング市場は、2019年に6兆9千億円に達するといわれており、2022年までに総額11兆円を越えると予想されています。また、矢野経済研究所のデータによると、2017年度の日本国内クラウドファンディング支援額は、前年度比127.5%増の1701億円で、支援者数は137万人です。
クラウドファンディングは近年新たな資金調達手段として定着しつつあります。

クラウドファンディングの成功事例

クラウドファンディングの成功事例として2つ挙げます

1つは「この世界の片隅に」という漫画の映画化です。目標金額2160万円に対し3900万円もの支援金を集め、2016年11月に映画化が実現されました。幅広い支援金額やファンミーティングというリターンの実施などが成功要因と考えられています。
もう1つの成功事例は、解体の危機にあった寝台列車である「北斗七星」の保存設置です。当初は寝台列車1両分の保存費の募集でしたが、支援者からの多くの支援を集めて2両の保存をすることができました。


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