利用者がPCにソフトをインストールしたり、データを保存したりする必要なく、インターネットを介して、必要なときにだけコンテンツを利用する考え方、または保存されている先のことをクラウドといいます。
正確には「クラウドコンピューティング」と呼び、利用者に対するサービスの提供をクラウド形態で行うサービスを特に「クラウドサービス」と呼びます。
クラウドサービスの代表例としてGmailなどのウェブメールサービスが挙げられます。PCにインストールして使用するoutlookに対して、Gmailはインストールすることなく、インターネットに繋がっていれば利用することができます。
クラウドの種類は大きく分けて3つ程存在し、利用者に対してどのようなコンテンツを提供するかによってそれぞれの呼称が異なります。
種類①SaaS(サース:Software as a Service)
ソフトウェアの開発・提供を行うクラウドサービスのこと。
例:SFA(営業支援システム)、Sansan(名刺管理サービス)
種類②PaaS(パース:Platform as a Service)
ソフトウェアを動かすためのハードウェアやOSなどの開発環境を提供するクラウドサービスのこと。
例:GAE(Google App Engine)
種類③IaaS(イアース:Infrastructure as a Service)
インフラを提供するサービスのこと。サーバーやストレージなどのシステム構築に必要なハードウェアを提供するHaaS(ハース:Hardware as a Service)の別称としても用いられる。
例:AWS(Amazon Web Services)
クラウドのメリット
メリット①ストレージ容量と時間を短略できる
サービス利用者は外部のサーバーにアクセスすることで、本来必要とされるようなソフトウェアのインストール作業や、それらを動かすサーバーの構築などの作業を省くことができます。
メリット②どこからでもアクセスが可能
インターネット回線がある場所であれば、利用者はどこからでもクラウドからサービスを利用することができます。また、クラウド上にデータを保存しておけば、機械の破損や故障によるデータの消失を防ぐことができます。
メリット③メンテナンスが不要
運営する会社が行うアップデートによって常に新しいバージョンを利用できるため、会社内でのデータ管理者の負担を軽減する事ができます。
クラウドのデメリット
デメリット①無料で使えるサービスには制限がある
クラウド上のストレージを利用するサービスにおいて、無料のものは「データ容量〇〇GBまで」というような制限が設けられいることがほとんどです。個人で使う場合には気にならないかもしれませんが、莫大なデータを所有する企業にとっては、無料の範囲内でのサービスは十分ではありません。しかしながら、利用者が利用容量を増やすために購入する場合においては実際にハードウェアを購入して利用するよりも安価に拡張が可能です。
デメリット②カスタマイズができない
あくまでもクラウドのサービスは既製品であり、外部から製品を利用することになります。そのため、特殊な保存形式のものを扱う際、その必要に応じてカスタマイズする、等という事はできません。
デメリット③保存されたデータが消える
ネットワークエラーやサイバー攻撃を受ける事でクラウド上のデータが失われるリスクがあります。また、サービスを提供している会社の倒産などを理由にクラウドサービスが突然終了し、データが失われる可能性もあります。
クラウドの活用方法
①文書の共同編集
様々な端末からのアクセスによって編集できる他に、チーム内で一つの資料を共同編集する事ができます。
例:GoogleDribe、Onedrive、iCloud
②カレンダーの共有
個人の予定を共有する事で会社内外でのミーティングやアポイントメントの予定を立てやすくする事ができます。
例:Googleカレンダー
③写真・動画・音楽の保存
比較的大きなデータもクラウド上にアップロードする事で大量のデータを管理し、簡単なアクセスが可能。
例:Googleフォト、youtube、Dropbox
写真や動画、音楽などの比較的大きなデータもクラウド上にアップロードする事で大量のデータを管理し、共有する事ができます。このように、クラウドの活用の方法は様々であり、その多様さと利便性が私たちの生活の中で切り離せない存在であると言えます。
クラウドに保存する
作成したデータをクラウド上にアップロードする事でデータが保存され、作成した端末以外からも、データへアクセスする事が可能となります。
クラウドにアクセスする
GmailやiCloud上に保存されたデータを取得するためにインターネットを通してアクセスします。
クラウド(クラウドサービス)を導入する
クラウドを通して会社内のデータを共有する事で社員間でデータをやり取りする必要がなく、仕事の効率化が図られます。
クラウドが注目されるようになった背景
クラウドは2009年以降から、インターネット回線とモバイル通信の普及率増加に伴って、世界的に注目されるようになりました。
クラウドが浸透したのは、人々が利用しやすい環境が整備されたという要因の他に、時間と容量に対するコストや、データへのアクセスの容易さ等のユーザビリティが高いためであると考えられます。
有名なクラウドサービスの例
多くの人が利用するクラウドサービスにはwebメールサービスやストレージサービスがあります。
webメールサービスではGmail、iCloudメール、Yahooメールなどがあり、ブラウザからクラウドにアクセスする事でメールの送受信やメールボックスの確認が行えます。
ストレージサービスにはGoogle Drive、iCloud、Onedribe、DropBoxなどがあり、利用上限までクラウドにデータを保存・管理する事が可能です。
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