IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月14日

かにばりぜーしょん

カニバリゼーション / cannibalization

自社ブランド同士が競合してしまい、シェアを奪い合う現象

英字

POINTカニバリゼーション / cannibalizationとは

カニバリゼーションとは市場で自社ブランド同士が競合してしまい、シェアを奪い合う現象です。元々はカニバリゼーション(cannibalization)とは共食いという意味になります。一般的にはデメリットの方が大きいですが、場合によってはあえてカニバリゼーションの状況を作ることがあります。

デメリット

カニバリゼーションの大きなデメリットは経営資源の浪費と言われています。具体的には、自社内の競争に無駄なエネルギーを費やしてしまうことで、本来他社とのシェア争いや消費者へのサービスにかける経営資源を浪費してしまうことです。これに伴って、自社の競合優位性が低下することで競合他社のシェア拡大のリスクがあります。

メリット

カニバリゼーションのリスクは大きいですが、あえて会社内でカニバリゼーションを起こすことによって企業の拡大に繋げている会社もあります。例えば、自動車メーカーが挙げられます。具体的には、あえて自社内でグレードやスペック、色の異なる自動車を製造することで、自動車購入の選択肢を他社ではなく自社にすることが可能となりました。

対義語「シナジー」

シナジーとは、ビジネスでは企業や自社ブランドが単独で事業を行うよりも他社と連携したり、複数の自社ブランドを併せ持つことでより効率的に成果を得ることができる状況を指します。もともとsynergyとは相乗効果、共同作用という意味で一般的にカニバリゼーションとは反対の意味とされています。

カニバリゼーションが起きてしまった場合の解決法

カニバリゼーションが起きてしまた場合の解決方法は大きく3つあると言われています。
①市場を細分化(セグメンテーション)し、のターゲットを明確に特定することが有効です。
②ターゲティングが適切でなかった場合に、カニバリゼーションが起こってしまっている場合はペルソナの設定をより綿密にすることが必要です。
③企業内で意思疎通が取れていないことが原因である場合は、他部署で誤って同じような商品を開発してしまうこともあります。

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カニバリゼーション / cannibalizationの使用例

「対抗措置としてライバル社にカニバリゼーションを起こさせよう」

競合への対抗策としてカニバリゼーションを起こさせる攻撃的なカニバリゼーションも存在します。例えば、自社の商品のシェアが高い市場にライバル社が参入しようとした際に、あえてライバル社の商品のシェアが高い市場の商品を開発することでカニバリゼーションを起こさせようという対抗措置です。

「ドミナント戦略ではカニバリゼーションを起こさないかな」

ドミナント戦略とは、地域や商品カテゴリーなどの特定の市場セグメントに絞って経営資源を集中的に投入することで支配的なシェアを獲得する戦略です。コンビニエンスストアや自動車メーカー、大手小売店などがあります。ドミナント戦略に関しては、カニバリゼーションのリスクよりも競争優位性を確保することによって成立してるといえます。

「あそこの通りのお店は同じグループがやっているからカニバってるね」

カニバリゼーションが起きてることをカニバってると略すことがあります。

カニバリゼーション / cannibalizationに関係した気になる話題

いきなりステーキのカニバリゼーション

カニバリゼーションの失敗例として「いきなり!ステーキ」の例が挙げられます。
「いきなり!ステーキ」とは肉の量り売り形式で人気を博したステーキのチェーン店です。売上高の好調に伴い2017年末の店舗数は2018年末には約倍増していました。その結果同商圏内で近隣の店同士が客を取り合うカニバリゼーションが発生してしまいます。
結果、店舗の急拡大によってアルバイト店員や店長の教育が追いつかず、サービスが低下したことなどの要因から売上が落ちてしまい、店舗の大量閉店に追い込まれてしまいました。

セブンイレブンのカニバリゼーション

カニバリゼーションの成功例としてはセブンイレブンの例が挙げられます。セブンイレブンをはじめとするコンビニエンスストアは特定の地域に集中出店するドミナント戦略をとっています。セブンイレブンは豊富で新鮮な商品を店舗に配送するのを目的とし、多頻度少量配送を達成するために近隣への大量出店を行ってます。結果競争優位性を確保することができています。


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