IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月30日

びじねすぷろせすりえんじにありんぐ

BPR / ビジネスプロセス・リエンジニアリング

経営目標を達成するため、業務内容や組織構造、業務フロー、情報システムなどを根本的に見直し、再構築すること

英字

POINTBPR / ビジネスプロセス・リエンジニアリングとは

「BPR」とは、経営目標を達成するため、業務内容や組織構造、業務フロー、情報システムなどを根本的に見直し、再構築することです。「Business Process Re-engineering」の頭文字を取ったもので、日本語には「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」と訳されます。

ただ単に業務そのものを改善する「業務改善」とは異なり、BPRでは既存の組織や制度の抜本的な改革をおこないます。BPRではすべての企業活動を、一貫した業務プロセスとして再統合・最適化することを目指します。

BPRがもたらす主な効果

BPRがもたらす効果としては、主に「業務フローの把握」と「従業員満足度・顧客満足度の向上」が挙げられます。

・業務フローの把握
全体的な見直しをおこなうことで、業務フローを明確化することができます。業務フローを把握することで、生産性の向上を阻害する原因の特定を図ることができます。また、無駄な業務を省くことは、コスト削減による目標の達成にもつながります。

・従業員満足度・顧客満足度の向上
業務効率化による生産性の向上は、従業員の満足度向上にもつながります。また、削減したリソースを利用して商品・サービスの質の向上を図ることによって、顧客満足度の向上にもつながります。

BPRをおこなう際のポイント

BPRを実施する際、「目標の明確化」「重要性の共有」「定着化の意識」の3つがポイントとなります。

・目標の明確化
計画の段階で目標・目的を明確に定め、重点を置くべきことを把握することで、実施する時にズレが生じにくくなります。またこの時、目標を定量的に定めておくことも大切です。

・重要性の共有
BPRは一部の人のみで実施することはできません。BPRの推進者だけでなく、社内全体が必要性を認識することで、スムーズに現状把握をおこなうことができます。

・定着化を意識
BPRをおこなう際は実施期間を設け、スピーディーに新しい制度・システムの定着化を図ることも重要です。また、実施期間中は運用状況と成果を把握し、PDCAサイクルを回すことによって常に改善を図ることを意識しましょう。

BPRをおこなう際の注意点

BPRをおこなう際の注意点として、「人材育成が必要」「従業員の理解を得る」「BPRに不向きな業務もある」の3つが挙げられます。

・人材育成が必要
BPRの実施には、強いリーダーシップと実行力を持つ人材が必要です。しかし、高いスキルを持った管理職は多忙で、BPR業務まで担うのは難しい場合が多いです。そこで必要となるのが、リーダーシップと実行力、課題解決能力を併せ持った人材の育成です。

・従業員の理解を得る
BPRをトップダウンによって強行すると、現場の従業員の反発を招く恐れがあります。従業員やステークホルダーにBPRの必要性を説明し、十分な理解を得ることが重要です。

・BPRに不向きな業務もある
属人化している業務などでは、BPRによってIT技術を取り入れることで、かえって業務プロセスが複雑化し、生産性が低下する可能性があります。計画段階でBPRが適切か判断し、見極める必要があります。

BPRの進め方の一例

BPRには様々な進め方がありますが、大きく分けて既存のERPパッケージを導入する方法と、自社の業務プロセスを分析・再構築する方法の2つがあります。業務が標準化されていない場合、既存のERPパッケージをカスタマイズしなければならないので注意が必要です。業務が標準化されていない場合は、自社でBPRをおこなう傾向があります。自社で業務プロセスを分析・再構築する場合は、「基本計画策定」「分析」「新システムの設計・実施」「モニタリング・評価」の手順でおこなうことができます。

・基本計画策定
BPRの目的と目標、対象となる業務の設定をおこないます。
・分析
業務フローを分析し、課題を洗い出します。
・新システムの設計・実施
課題をもとに戦略・方針を策定します。戦略・方針を踏まえ、ビジネスシステムを再構築、実施します。
・モニタリング・評価
実施した新システムのモニタリング調査をおこない、効果を測定します。調査結果をもとに評価をおこない、必要に応じて改善を加えます。

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BPR / ビジネスプロセス・リエンジニアリングの使用例

「経営戦略見直しのため、BPRをおこなう」

BPRによって業務フローを把握することで、生産性の向上が期待できます。また、無駄な業務を見つけ出すことができるので、コスト削減にも繋がります。

「どのようにBPRを進めるか?」

BPRの進め方は様々ですが、既存のEPRパッケージを導入する方法と、自社の業務プロセスを分析・再構築する方法が用いられることが多いです。

「働き方改革の一環としてBPRを実施しよう」

働き方改革の1つに残業時間の見直しが挙げられます。BPRによって生産性の向上を図ることで、効率的な働き方を実現し、残業時間の短縮が期待できます。

「BPRの目標を設定しよう」

BPRの目標は定量的に判断できる基準で、明確に設定することが重要です。曖昧な目標を設定してしまうと、BPRを実施した時にズレが生じてしまう可能性があります。

BPR / ビジネスプロセス・リエンジニアリングに関係した気になる話題

BPRが注目される背景に「働き方改革」の存在

近年、BPRが再び注目されている背景に、「働き方改革」の推進が挙げられます。働き方改革によって、罰則付きの残業時間の上限制限が設定されたことで、時間外労働を習慣化させていた企業も、残業時間の見直しが迫られるようになりました。
業務プロセスを改善し、残業時間を大幅に削減するため、BPRが再び注目されるようになりました。


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