IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月20日

あいさす

AISAS / アイサス

インターネットやWebサービス時における、消費者の購買行動のフレームワーク

別名
英字

POINTAISAS / アイサスとは

AISAS(アイサス)とは、1995年に株式会社電通が提唱したインターネット時代の変化に対応した購買行動モデルの一つです。購買行動はAttention(注意・認知)、 Interest(興味・関心)、 Search(検索)、 Action(行動)、 Share(共有)のプロセスがあり、AISASの名前はこの5つのプロセスのそれぞれの頭文字を取ったものです。

AISASはAIDMAというモデルの発展系にあたります。AIDMAはAttention(注意・認知)、 Interest(興味・関心)、 Desire(欲求)、 Action(行動)、Memory(記憶)の頭文字を取ったものです。

AIDMAで示されているDesire(欲求)とMemory(記憶)の段階が、AISASではSearch(検索)とShare(共有)に置き換わっています(インターネット上の購買活動の要素が加わっている)。

AISASでは、インターネットが普及した現代の消費者の購買行動における主な特徴が示されています。例えば、商品を購入する前に口コミやレビューを確認する(Search)、商品購入後にSNSや口コミサイトなどに商品を使った感想を投稿する(Share)、などが挙げられます。

AISASの生まれた経緯、株式会社電通が提唱

AISASは、株式会社電通によって提唱され、2005年の6月に商標登録されました。

1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した消費者の購買行動モデル「AIDMA」に、インターネット上の購買活動の要素を加え改良したものがAISASだと言われています。

AISASが生まれた主な要因は、インターネットの普及が影響していると言われています。
近年、インターネットが普及したことで、消費者は商品・サービスに関する情報をインターネット上で簡単に検索、共有などをすることが可能になりました。インターネットの普及により消費者の購買行動に変化が生まれ、「AIDMA」モデルだけでは消費者の購買行動を捉えることが困難になりました。

こういった背景から、AIDMAにインターネットの購買行動要素を加えた、AISASが生まれた言われています。

購買行動モデルとは

購買行動モデルとは、消費者が商品・サービスを認知してから購入・利用にいたるまでの過程を示した概念です。消費者の購買行動パターンも時代やメディアの進化・発展とともに変化し、それに伴い購買モデルも様々な変化を遂げてきました。

購買行動モデルの変遷は、大きく3つの時代に分類することが可能です。

①マスメディア時代
この時代は、消費者の購買行動意思決定を促す情報源は、テレビCMや新聞・雑誌の広告、店頭販売員から受ける説明やカタログ、パンフレットなど、企業側から提供される情報(一方通行な情報)がほとんどだったと言われています。

この時代の主な購買行動モデルにAIDMA、AIDAなどがあります。

②インターネット時代
インターネット時代では、従来のように企業からの一方的な情報提供に頼るのではなく、消費者がインターネット上のWebサイトやブログなどにアクセスし、商品に関する情報を検索することができるようになりました。
主な購買行動モデルにAISAS, AISCEASなどがあります。

③コンテンツマーケティング時代
近年、※コンテンツマーケティングに力を入れている企業が増加している傾向にあります。このコンテンツマーケティングに対応した購買行動モデルとして、主にDual AISAS、DECAXなどがあります。

※コンテンツマーケティング…適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方のことです。

AISAS / アイサスの使用例

「インターネットでビジネスを展開するなら、AISASモデルを理解しないとね」

「今後も購買行動モデルは時代に適した形に変化してくだろう」

「AISASは現代の消費者購買行動に全てに当てはまりますか?」

AISASではインターネット時代における購買行動の特徴が反映されていますが、ほかにも購買モデルは存在し、現代のすべての消費者の行動がAISASで説明できるわけではありません。

「AISASとAIDMAの違いは?」

AISASは、購買行動プロセスの1つで、AIDMAを雛形にインターネット版に改良されたものです。AIDMAにはなかった「検索」と「共有」という行動が追加されています。

AISAS / アイサスに関係した気になる話題

コンテンツマーケティング時代に適した購買行動モデルとは:①DECAX(デキャックス)

DECAXとは、株式会社電通が提唱した「コンテンツマーケティング時代に対応した購買行動モデル」です。DECAXの名前は、Discovery(発見)、Engage(関係)、Check(確認)、Action(購買)、eXperience(体験と経験)の5つのプロセスの頭文字から取られています。

DECAXの大きな特徴は、AIDMAやAISASにおいて行動の起点となっていた「Attention(注意)」が「Discovery(発見)」に置き換えられていることです。DECAXでは消費者自身による「コンテンツのDiscovery(発見)」が行動の起点となっています。

コンテンツマーケティング時代に適した購買行動モデルとは:②DUAL AISAS(デュアルアイサス)

DUAL AISASは、DECAXと同じく株式会社電通が提唱した「AISASをコンテンツマーケティング時代に適応した形に改良した購買行動モデル」です。DUAL AISASには2つ種類があります。

<買うことが目的のAISAS>
このDUAL AISASの名前は、Attention(認知)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の5つのプロセスの頭文字から取られています。

<広めることが目的のAISAS>
このDUAL AISASの名前は、Active(起動)、Interest(興味)、Share(共有)、Accept(受容)、Spread(拡散)の5つのプロセスの頭文字から取られています。


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