IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年2月19日

あどふらうど

アドフラウド / Ad Fraud

ネット広告の表示回数やクリック数などを不正な方法で増加させる詐欺

別名
英字

POINTアドフラウド / Ad Fraudとは

アドフラウドとは、ネット広告において、広告の表示回数やクリック数などを不正な方法で増加させて成約件数や広告効果を偽り、広告主に不当な支払いを要求するなどといった詐欺の手口の総称、また、その不正広告自体を指します。

アドフラウドの典型的な手口としては、botなどの自動プログラムを用いてユーザーが広告を表示したように見せかけて成果を水増しするといった手法が挙げられます。

ネット広告の仕組み

ネット広告は、インターネット上に掲載される広告のことをいいます。特徴としては、細かいターゲティングが可能であること、広告の効果測定が容易であることが挙げられます。

ネット広告の料金方式としては、クリック課金型、インプレッション課金型、成果報酬型の大きく3種類が存在します。
クリック課金型は広告がクリックされるごとに課金される仕組み、インプレッション課金型は広告の表示階数で課金される仕組み、成果報酬型は広告経由で商品の購入などの成果が上がった場合にその成果に応じてお金がかかる仕組みです。

アドフラウドで直接被害を受けるのは広告主(間接的には業界全てのプレーヤー)

ネット広告の料金体制として、クリック数や表示回数に応じて広告料を支払う仕組みのものがあります。そのため、ロボットなどを用いて不正にクリック数や表示回数を増加させた場合、広告主はその分の広告料を支払わなければいけなくなります。
人ではなくロボットに広告を表示したりクリックさせたりしても広告による効果は上がらないため、アドフラウドで直接被害を受けるのは広告主であるといえます。

また、アドフラウドが増加する事でネット広告の信用を失うことに繋がり、ネット広告業界全体が衰退する可能性もあります。そのため、アドフラウドの被害者は、間接的には業界全てのプレーヤーともいえるでしょう。

アドフラウドの手口の代表パターン「水増し」

アドフラウドの手口の代表パターンの1つとして、表示回数やクリック数などを不正に水増しし、広告主に不当な支払いを要求する手段です。トラフィックフラウドとも呼ばれます。

広告の表示回数やクリック数を水増しするためには人やロボットが用いられます。
ロボットを用いたトラフィックフラウドは、機械がプログラムによって人のフリをして広告の表示やクリックを繰り返します。ページを読み込むロボットとしてGoogleのクローラーなどの悪意の無いものも存在するため、ロボットからのアクセスがアドフラウドによるものか見極める際には注意が必要です。
また、実際に人に広告のクリックやリロードなどの操作を繰り返し行わせることで表示回数やクリック数などを水増しさせる場合もあります。ロボットに比べて、アドフラウドの検出が難しいのが特徴です。このような操作を組織的に行う組織もあり、クリックファームと呼ばれます。

アドフラウドの手口の代表パターン「偽造」

もう1つのアドフラウドの手口の代表パターンとして、広告に関する情報を偽装し、不正に広告収益を挙げようとする仕組みです。非常に小さいサイズの広告枠を何個も作ったり、本来1つの広告を掲載する場所に複数の広告を積み重ねたりすることで、ユーザーから見えない形で広告を掲載します。

当然、本来広告を見てもらいたいユーザーに見てもらえることができなくなるため、偽装フラウ度は広告主にとって広告の無駄打ちとなってしまいます。

アドフラウドの手口の代表パターン「横取り」

さらに、広告の成果を偽装して報酬を横取りするアドフラウドの手口もあります。
横取り型のアドフラウドでは、CookieやデバイスID、インストール情報などの広告収益につながる情報を偽り、成果を横取りしています。

例えば、ユーザーがAというサイトで広告を踏んでBサイトに場合、通常であればユーザーにはAサイトからCookieを付与され、その後ユーザーが商品を購入すればAサイトの運営者に報酬が入ります。しかし、アドフラウドではBサイトで不正なCookieをユーザーに付与し、その後ユーザーがおこなう購買行動に関する報酬は本来Aサイトがもらうはずだったものも含めてすべてBサイトが獲得します。

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アドフラウド / Ad Fraudの使用例

「アドフラウドの被害に合わないように気をつけよう」

近年アドフラウドの手口が巧妙化し、自分が出した広告も気づかぬうちにアドフラウドの被害にあっているかもしれません。悪質なサイトには広告を出さないなど、対策をするのがよいでしょう。

「アドフラウド対策をするために広告配信を停止する」

広告配信を停止すれば、アドフラウドの被害には合いません。アドフラウドの被害に遭わずに広告配信をするためにはアドフラウド対策をしながら広告配信する必要があります。

「日本はアドフラウド対策が遅れているらしいね」

日本は米国などに比べアドフラウドの被害額が少ないこともあり、まだアドフラウドに対する対策が不十分であるともいわれています。(2018年)

「アドフラウド対策をしないと広告費が無駄になってしまうね」

アドフラウドの被害に遭うとユーザーに届けたかった広告を届けられず、広告費が無駄になってしまいます。

アドフラウド / Ad Fraudに関係した気になる話題

アドフラウドは近年手口が巧妙化し、世界中で問題になっている

アドフラウドは上記であげた「水増し」「偽装」「横取り」の方法を組み合わせ、近年手口がどんどん巧妙化しています。

従来ロボットを用いて不正に表示回数やクリック数を偽装するのが一般的でしたが、近年はCookieデータを利用したり人によるアクセスと見せかけてアクセスを複雑化させたりと、どんどんアドフラウドの判別が難しくなっています。

米国ではアドフラウドによる損失額は年間8000億円(2016年)、日本だけでも年間300億円(2016年)にも上るともいわれ、世界中でアドフラウドが問題視されています。

アドフラウドへの対策方法

広告主は悪質なサイトと判断されるようなサイトには広告を配信しないことが必要です。厳選された良質なサイトのみに広告を配信することで、広告費を無駄にすることなく広告を配信できます。

また、アドフラウド対策の広告検証ツールというものも存在します。これはネット広告の無効な表示やクリックを事前に防ぐことでパフォーマンスの向上を図るプログラムです。このようなサービスを用いて広告の配信先の最適化をおこなうことで、アドフラウドに対策できます。


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